ヘルペスを治療にはバルトレックスが有名

2019年06月06日

ヘルペス感染症は、単純ヘルペスウイルス1型や単純ヘルペスウイルス2型などのヒトパピローマウイルスによって引き起こされます。
このことから、細菌性の感染症治療に有効なジスロマックでは無く、ウイルス性の感染症に有効なバルトレックスやジェネリック医薬品のセントレックスなどのDNAポリメラーゼ阻害薬が多くの病院で処方されています。

バルトレックスやジェネリック医薬品のセントレックスは、DNAポリメラーゼ阻害効果を持つ抗生物質のバラシクロビルを主成分とする治療薬です。
バラシクロビルが肝臓でアミノ酸のバリンとアシクロビルに加水分解されます。
加水分解されたアシクロビルがウイルス由来の酵素チミジンキナーゼと感染細胞由来の細胞性キナーゼによってアシクロビル3リン酸にリン酸化される事によって薬剤代謝される治療薬です。

アシクロビル3リン酸は、ヘルペスウイルスの遺伝子情報を統括するDNA構成基質に一つであるデオキシグアノシン3リン酸に構造が酷似している事から酵素DNAポリメラーゼの働きによって置換反応が引き起こされます。
誤ってDNA基質として取り込まれたアシクロビル3リン酸はDNAの複製やDNAの伸長を阻害し、ヘルペスウイルスの増殖を抑制し症状を改善する医薬効果を発揮します。

バルトレックスは、細菌性の感染症に有効なジスロマックと同様に副作用の発生頻度、副作用の重症化リスクが低い事から安全性の高い治療薬とされています。
高熱や下痢を発症している感染患者に加え腎臓の機能の低下した高齢者が服用した場合には、閉塞性尿路疾患を発症するリスクが高くなる特徴があります。
バルトレックスは、腎臓内のアシクロビル濃度が溶解度を超越すると再結晶するリスクが非常に高く、高熱や下痢の発症に起因して脱水症状を発症すると特に尿細管で再結晶する事が多いとされています。
そのため閉塞性尿路疾患を発症する事もある治療薬です。
その為、バルトレックスの服用時には水分補給を心掛ける必要が多分にあります。

ゾビラックスの効果との違いはある?

バルトレックスは、ゾビラックスの主成分のアシクロビルにアミノ酸のバリンを、エステル結合させたプロドラッグのバラシクロビルを主成分としているので作用機序に大きな差はありません。
バルトレックスもゾビラックスも同じDNAポリメラーゼ阻害薬に分類されています。
ゾビラックスは、服用した医薬成分が全身到達する循環割合を表すバイオアベイラビリティが、10%~20%程度低い事から1日の服用回数が5回程度多いくなっています。

バルトレックスはバリンを結合させた事で小腸での吸収効率が上昇しバイオアベイラビリティは、55%まで上昇し1日の服用回数が2回と改良されています。
その為、ゾビラックスには内服薬の他に静脈注射薬もあり、塗り薬などの外用薬もあります。

抗ヘルペスウイルス薬の中では、ペンシクロビルのプロドラッグであるファムシクロビルを主成分とするファムビルのバイオアベイラビリティが、75%~77%と非常に高い事から1日の服用回数が3回とゾビラックスよりも少ない特徴があります。
ファムビルは、ゾビラックスに比べてウイルス由来に酵素チミジンキナーゼに対する親和性が高いだけで無く、リン酸化されたファムシクロビル3リン酸が高濃度かつ長時間感染細胞内に留まる事からゾビラックスよりも長時間DNAポリメラーゼ阻害効果を持続するとされています。

DNAポリメラーゼ阻害薬は、治療に必要な医薬成分濃度をより長く維持する事で医薬効果が増強される時間依存性薬物です。
1度に高用量服用した方が耐性菌の発生リスクが少ない事からバルトレックスの方が耐性菌が少ないとされています。
ヘルペス治療ではバルトレックスを第一選択薬として処方する病院や診療所が大半を占めています。